訪れる人を迎える門

建築家

竹原 義二

Yoshiji Takehara

1948年徳島県生まれ
72年大阪工業大学短期大学部建築学科卒業
大阪市立大学富樫研究室、美建・設計事務所を経て
78年無有建築工房を設立
96年村野藤吾賞
97年関西建築家大賞
03年甍賞(経済産業大臣賞)
04年木の建築賞など、多数受賞
現在、大阪市立大学生活科学部教授


昔は、門屋の上に屋根がのっていた。訪ねてきた人は、そこで立ち止まり、待つことができた。今の門扉は外からの人を拒否するような側面が強く出ている。それは、自分と他者が共有する空間を切り捨ててしまうかのようである。

家をつくるとき、竹原氏は門の高さを重要視している。

「『門は人の顔が見えるぐらいの高さ(1200〜1300mm)にしましょう』と建て主さんに言うんですが、『乗り越えられませんか』などと心配されるんですよね(笑)」

この高さだと門を挟んで外の人と話ができ、人を迎えるという大切な行為も自然にできる。今はインターホンで来客を確認し、門の防犯システムを解除するだけのことが多い。

最近は打ち水もしなくなった。かつては来客の予定があると、ちょうどその時間に水が引き加減になるよう、門の前の道やアプローチに打ち水をしたものである。

「こうした行為は『今日、私はあなたを待ってますよ』という印だったんです。呼び鈴を鳴らさなくっても、訪ねていいとわかるようにね」

深い庇|訪れる人を迎える門

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